あたためて、急がず、
冬じたく。
朝の空気が冷たくなり、お風呂が恋しくなる11月。暮らしの温度差、練習前の準備、温かい食卓を見直してみませんか。一般の方、成人アスリート、子どもアスリートと保護者の方へ。それぞれの「気をつけたいこと・栄養・治療や受診の目安」をまとめました。

今月、まず覚えたい3つ
- 入浴は、脱衣所からあたたかく。熱い湯や長湯を我慢しない。
- 身体を動かす前は、軽い動きから徐々に。痛みを押して続けない。
- 食事は、運動と成長の土台。休む日も、必要な栄養を大切に。
01 / EVERYDAY CARE
一般の方へ。
暮らしの温度差を、小さく。
注意点 お風呂は「熱く、長く」より、無理なく
入浴中の事故は、急な温度差だけで説明できません。熱い湯や長湯で具合が悪くなったり、立ち上がるときにふらついたりすることにも注意しましょう。入る前に脱衣所と浴室を暖め、家族にひと言。湯温は41℃以下、湯につかる時間は10分までを目安にし、急に立ち上がらないようにします。飲酒後や食後すぐの入浴は避けてください。[1]
温度と時間を守れば必ず安全、という意味ではありません。高齢の方や持病のある方は、とくに無理をしないこと。入浴で不調が出る場合は主治医に相談しましょう。
「お風呂に入るね」と伝え合い、いつもより長いときは家族が声をかける習慣を。本人の注意に加え、周囲の見守りも事故防止につながります。[1]
寒い朝は、部屋を暖めてから動き始める
寒さは血圧が上がる要因のひとつで、冬は起床前後の冷えにも注意が必要です。寝室などの暖房を活用し、起きてすぐ冷たい屋外で頑張りすぎず、暖かい室内で軽く動くところから。血圧が気になる方は、朝晩の測定メモも役立ててください。[19]
栄養 温かい食事を、塩分控えめに
鍋や汁物は具材を組み合わせやすい一方、つゆ・たれにも塩分があります。野菜だけで済ませず、魚・肉・卵・豆腐などと主食を組み合わせて。つゆを飲み干さず、だしやかんきつの香りを使うのもひと工夫です。食事量や制限は、持病や主治医の指示に合わせてください。[4][9]
ご飯+鮭と豆腐・白菜・きのこの鍋。具を中心に食べ、たれは少量から。量は食欲・体格・活動量に合わせる例で、全員共通の処方ではありません。
治療・相談 「寒いから痛い」で済ませない
首肩や腰がつらい日は、同じ姿勢を長く続けず、無理のない動きを少しずつ。強い痛み、しびれや力の入りにくさ、日常生活を妨げる痛みが続く場合は、整形外科などで原因を確認しましょう。けが直後に腫れて熱を持つ場所は、長風呂や強いマッサージで温めて解決しようとしないでください。[5][11]
血圧は症状の有無だけで判断せず、測定記録を診察時に見せましょう。薬の増減・中止を自己判断で行わないことも大切です。[2][3]
02 / ADULT ATHLETES
成人アスリートへ。
練習の質を、準備と回復から。
大学生・社会人の競技者も、仕事や勉強、移動を含めて一日の負担を振り返りましょう。「11月だから特定のけがになる」と決めつけず、寒い時間帯の準備や練習量の変化を確認します。
注意点 いきなり全力に入らない
- 歩く・軽く走るなどから始め、競技の動きを小さく試して徐々に強く。
- 待機中は上着で調整。長く休んだあとの再開も、身体を動かす準備から。
- 練習時間・強度・回数を一度に増やさず、翌日の痛みや疲れも記録。
痛みを我慢するほど良い練習になるわけではありません。睡眠、食事、回復時間も予定に含めます。[5]
まず歩くなどして身体を動かし、その後にゆっくり伸ばします。反動をつけたり、痛むところまで無理に伸ばしたりしないこと。準備運動をしても痛みがある日は、全力の動きに進まないでください。[5]
栄養 主食+たんぱく質を、食べられる時間に
たんぱく質だけでなく、運動の燃料となる炭水化物も必要です。練習後から夕食まで時間が空く日は、おにぎりと牛乳、パンとヨーグルトなどの補食を用意する方法があります。食事がすぐとれるなら、その食事を整えることから。量やタイミングは練習と体調に合わせます。[9]
寒い日も飲み物を持参し、練習の合間に飲める機会を確保しましょう。汗の量や運動時間で必要な補給は変わります。水分を大量に無理やり飲んだり、運動するという理由だけで日常の塩分を増やしたりする必要はありません。水分と補給の詳しい考え方へ ↗
治療・復帰 同じ場所の痛みは、早めに確認
走る・跳ぶたびに同じ場所が痛む、痛みが徐々に強くなる、休んでも痛む場合は、使いすぎによる骨の障害なども確認が必要です。痛みが出る負荷を減らし、整形外科・スポーツ整形で相談を。疲労骨折は、初期のレントゲンだけでは分からない場合もあります。[12]
治療は、必要な保護・負荷調整から、動きや筋力を取り戻す段階へ。復帰は「何日休んだか」だけで決めず、診断と機能の回復に合わせます。施術や機器だけで練習の負担を帳消しにしたり、復帰日を保証したりはできません。[11][12]
専門メモ|成人と子どもの栄養目安は分ける
成人競技者の体重あたりの栄養量を、成長期の子どもへそのまま当てはめません。体格、競技、練習量、持病、食べられる食品を整理し、公認スポーツ栄養士などと個別に調整するための情報として扱います。
成人競技者向けの栄養メモを読む ↗03 / JUNIORS & PARENTS
子どもアスリートへ。
成長する身体に、休む余白を。
注意点 部活とクラブを、ひとつの予定表に
部活、クラブ、試合、自主練を合わせて負担を確認。米国小児科学会は、週1〜2日は試合やその競技に特化した練習を休むことを勧めています。空いた時間に別の強い練習を詰め込むのではなく、睡眠や自由な時間も確保しましょう。[6]
厚生労働省の睡眠ガイドに基づく目安です。朝の起きやすさや日中の眠気も見ながら、練習・宿題・入浴の時間を逆算してみてください。[13]
栄養 「練習する分」と「育つ分」を大切に
ご飯などの主食、肉・魚・卵・大豆製品などの主菜、野菜などの副菜を基本に、果物や乳製品も組み合わせます。食べられる量が少なければ、補食で食べる機会を増やす工夫を。牛乳が飲めないなどの制約も含め、本人に合う食品を選びます。[6][9]
帰宅が遅い日:練習前におにぎり、帰宅後に主菜・副菜を含む食事。食欲が少ない朝:小さなおにぎり+卵+果物などから。これは献立の例です。食べることを無理強いせず、量と時間を一緒に相談しましょう。
疲れが抜けない、体重や成長が気になる、けがを繰り返す、月経が乱れるなどの変化は、食事と練習を見直すきっかけです。症状だけで栄養不足と決めつけず、医師や栄養の専門家へ相談を。自己判断の鉄剤や高用量サプリで補おうとしないでください。鉄・骨の健康・エネルギー不足の詳しい案内 ↗
治療・相談 痛みを言えたことを、責めない
膝・かかと・すねなど、練習で繰り返し痛む場所は早めに確認しましょう。「成長期だから」「まだ走れるから」だけでは判断できません。痛む動きを減らし、必要な診察を受け、本人・保護者・指導者で練習の変更を共有します。[6][8]
FOR PARENTS / 成長期の痛み
「成長痛かな?」
その前に、見ておきたいこと。
いわゆる成長痛と、成長期のスポーツ障害は同じものではありません。下の表は気づくための目安で、家庭で診断するための表ではありません。
| 痛みの様子 | 考えたいこと | 次の行動 |
|---|---|---|
| 両脚が夕方〜夜に痛み、朝には治まる | 一般に成長痛と呼ばれる痛みのパターンに近いことがあります。[8] | 初めて・いつもと違う・繰り返して心配な場合は相談を。片脚だけ、朝や歩行時にも痛む場合は受診。 |
| 膝のお皿の下や、かかとが運動で痛む | オスグッド病やシーバー病など、負荷が関係する障害もあります。[14・17] | 走る・跳ぶなど痛む負荷を調整し、整形外科で確認。痛い場所を強く押したり、無理に伸ばしたりしない。 |
| 足を引きずる、腫れ・熱、朝まで続く痛み | 「成長痛」だけでは説明できないサインです。[8・18] | 早めに医療機関へ。歩けない・体重をかけられない、発熱と強い痛みがある場合は速やかに受診。 |
治療では、何をするの?
原因を確認したうえで、運動の量や種類を調整し、必要に応じた保護、靴の見直し、痛みを悪化させない運動などを組み合わせます。オスグッド病とシーバー病でも対応は一律ではありません。何か月も我慢させたり、機器を使えば練習量はそのままでよいと考えたりせず、経過を確認します。[14][17]
①どこが ②いつから ③何をすると痛むか ④腫れ・発熱・歩き方 ⑤翌朝の状態。確認のために走らせたり、何度も跳ばせたりしなくて大丈夫です。
こころのベンチ / 選手と親御さんへ
頑張れない日も、
あなたの価値は変わらない。
試合、選考、進路、けがからの復帰。「休んだら置いていかれる」と感じることもあるかもしれません。身体の痛みと同じように、不安も相談してよいものです。強いプレッシャーや大きなけがが、こころの健康に影響することがあります。[7]
今日の声かけの例
「話を聞いてほしい?
一緒に考えてほしい?」
結果を聞く前に「今日、身体と気持ちはどうだった?」。話したくない日には無理に聞き出さず、聞けるよ、という姿勢を伝えます。
眠れない、食べられない、学校や練習に行けないなど、生活に支障が続くときは、本人の気合いの問題にせず、学校や医療の専門家につなぎましょう。仲整骨院でも、身体のことと一緒に、今の気持ちを聞かせてください。必要な支えを一緒に考えます。[7]
皿倉ベースの原点
いつか、一緒に野球チームをつくろう
幼い頃からの友情と、二人で語った夢
その物語を、諫山一(イサヤマイツ)くんが伝えています
DEEPER LOOK / 血圧と塩分
血圧の数字を、
暮らしの味方に。
「高血圧と診断する基準」と「治療で目指す値」は別です。日本の成人の診察室血圧では、上140以上または下90以上が高血圧の診断基準。JSH2025の降圧目標は原則として上130未満かつ下80未満です。単位はmmHg。1回の値で自己診断せず、家庭での記録や体調も含めて主治医と相談します。[2][3]
家庭血圧には別の基準があります。治療目標は持病・副作用なども考慮して調整され、小児や妊娠中に成人の表をそのまま当てはめるものではありません。
朝晩の血圧測定メモ
上腕で測る血圧計を使い、同じ条件で記録を続けましょう。日本高血圧学会の家庭血圧測定の案内では、次のタイミングと方法が示されています。[3]
- 朝起床から1時間以内。トイレのあと、朝食と朝の服薬より前に。
- 晩寝る直前に。測る前にトイレを済ませます。
- 測定椅子に座って1〜2分落ち着いてから、原則2回測り、平均を記録。週5日以上の記録を診察で見せましょう。
主治医から測定や服薬の時刻について指示がある場合は、そちらを優先してください。記録のために薬を抜いたり、良い数字が出るまで繰り返し測ったりする必要はありません。
減塩は、食品の「食塩相当量」を合計して考える
高血圧のある方の食塩摂取目標は1日6g未満。成人の一般的な目標は男性7.5g未満、女性6.5g未満です。調味料だけでなく、加工食品・麺の汁・たれなども含みます。腎臓病などで食事の指示がある方は、主治医の指示を優先してください。[4]
上の数値は成人向けです。子どもや、発汗量の多い競技者に一律に当てはめず、年齢・練習・持病に応じて医師や栄養の専門家と調整しましょう。
天然塩なら、たくさん使っても大丈夫?
天然塩や海塩にもナトリウムが含まれます。微量のミネラルを含むことと、塩分を気にせず摂れることは別です。塩の名前だけで判断せず、食品表示の「食塩相当量」と使う量を確認しましょう。[20]
立ちくらみがあるときは、塩分を増やすの?
専門メモ|冬の不調を一つの理由で説明しない
寒さや生活環境は血圧・活動の見直しのきっかけになりますが、個々の痛みや体調不良の原因を断定するものではありません。「血流が悪い」「自律神経が乱れた」といった言葉だけで診断を置き換えず、症状、既往歴、薬、負荷の変化を確認します。整体や機器による血圧治療・脳卒中予防を約束する記事ではありません。
GOLF CARE / 11月のラウンド
朝イチの一打までに、
ひと準備。
少し早めに到着し、歩いて身体を動かし、肩・股関節などを無理なく動かしてから、小さな素振りへ。少しずつ振り幅を大きくし、痛みが出るほどひねらないようにしましょう。待ち時間の冷えは、脱ぎ着で調整を。[5][10]
食事と、ラウンド後の相談
朝食を抜いて出発しない準備を。食事の間隔が長い日は、持ち運べる補食と飲み物を用意します。手首・肘・腰などの痛みが続く、日常の動きにも痛みが出る場合は、打ち方だけの問題と決めつけず相談しましょう。[9][10]
TREATMENT & CONSULTATION
「何を使うか」の前に、
今の状態を確かめます。
仲整骨院では、院長・仲 憲一がお話を伺い、身体の状態や動き、仕事・練習での負担を確認します。施術に加え、日常生活や練習で調整できることを一緒に考えます。医療機関での診察が必要な状態は、受診をご案内します。
- 一般の方:痛む場所だけでなく、仕事の姿勢や日常の動きも共有してください。
- 成人アスリート:大会日程、練習量、痛みが出る動作、これまでの診断を共有してください。
- 子どもアスリート:本人の話を中心に、保護者・指導者と休養や練習の調整を考えます。
予約を待たず、119番が必要なとき
突然の激しい頭痛、激しい胸・背中の痛みや呼吸困難、急に片側の手足に力が入らない、ろれつが回らないといった症状では、施術の予約を待たず119番へ。朝に限らず、こうした症状が現れたときは救急対応を優先してください。[16]
LINEで来院前の相談をする ↗
ONE SMALL STEP
今週は、ひとつだけ。
- 暮らし入浴前に、脱衣所の寒さと湯温を確認する。
- 練習翌朝の疲れや痛みを、一行だけ記録する。
- 食卓帰宅が遅い日の補食を、本人と決める。
- 親子結果より先に、身体と気持ちを聞く。
EVIDENCE & REFERENCES
根拠・参考資料
公開資料を確認し、日常生活で使える言葉に整理しています。献立や声かけは編集上の実践例です。
- 消費者庁:冬季に多発する高齢者の入浴中の事故への注意
- 日本高血圧学会:高血圧の10のファクト(JSH2025に基づく)
- 日本高血圧学会:高血圧の診断基準について / 家庭で血圧を測定しましょう
- 日本高血圧学会:さあ、減塩! 食塩の知識
- AAOS:Safe Exercise
- AAP:Preventing Overuse Injuries in Young Athletes(2024)
- AAP:Mental Health in Teen Athletes
- NHS:Growing pains(2026年6月更新)
- 農畜産業振興機構:スポーツと糖質〜アスリートの基本の食事〜(公認スポーツ栄養士による解説)
- AAOS:Golf Injury Prevention
- NHS:Sprains and strains
- AAOS:Stress Fractures
- 厚生労働省:Good Sleepガイド/健康づくりのための睡眠ガイド2023
- 日本整形外科学会:オスグッド病(日本スポーツ整形外科学会の解説へ)
- CDC HEADS UP:Responding to a Sports-related Concussion(2025)
- 総務省消防庁:救急車利用ガイド
- AAOS:Sever’s Disease (Heel Pain)
- NHS:Limping in children
- 日本高血圧学会:冬こそ血圧朝活!―冷えとヒートショックから命を守るために―
- 米国心臓協会:Sodium Sources(塩の種類とナトリウム)
- 済生会:子どもに起こりやすい起立性調節障害
編集:仲整骨院|公開・更新・情報確認日:2026年10月21日
同日追記:寒い朝の備え、家庭血圧の測定方法、ストレッチ前の準備、塩分のQ&A、救急対応の目安を補足しました。
11月に向けた先行公開号です。一般向けの健康情報であり、個別の診断や治療を指示するものではありません。症状や既往歴に応じ、医療機関の指示を優先してください。
出典の団体・著者が、当院や本記事を監修・推薦したことを意味しません。記事内容は確認日現在の情報です。必要な訂正は確認日を更新して反映し、過去の号も保存します。
SEE YOU NEXT MONTH
来月の「からだ通信」も、
楽しみにお待ちください。
季節の注意点、食べること、身体とこころのケア。
仲整骨院と一緒に、ひと月ずつ。